かざみ鳥 ~枠組壁工法耐火構造の湿式外壁~

施設全体
特別養護老人ホーム 居室
特別養護老人ホーム 中庭

事業概要

  • 特別養護老人ホーム:60人
    ( ショートステイ 10人含む)
  • デイサービス(通所介護):30 人

建築概要

階数 地上3階建て、一部平屋
地域制限 その他の地域
建築物の防・耐火上の要件 耐火建築物
敷地面積 3,597.47㎡
建築面積 1,593.51㎡
延床面積 2,978.52㎡
構造種別 木造(軸組工法)
設計 株式会社吉高綜合設計 吉高 久人
施工 三井ホーム株式会社
工事工期 2010年12月~2011年9月

木造施設としての工夫

1. 屋根仕上げ材の軽量化

屋根(デイサービスおよびエレベーターシャフト)

ガルバリウム鋼板の表面に天然石砂でコーティング塗装した屋根仕上げ材を採用している。和瓦と比べて単位重量が1/10程度と軽量であるため、枠組壁の構造材であるたて枠本数および耐力壁量の削減に寄与している。

2. Iジョイストの床根太

Iジョイストの床根太(下から見上げた施工状況)

2階と3階の床根太として、軽量で剛性の高いI形の木質複合軸材料(Iジョイスト)を採用している。上下を石膏ボードで覆い、被覆型耐火構造の床板を構成している。

3. 耐火構造の湿式外壁

湿式外壁(デイサービス)

計画当時は、香川県初の枠組壁工法による大規模耐火建築物であり、消防に計画内容を理解してもらうために何度も事前協議を実施し、告示による排煙免除適用における下地・仕上不燃の要求事項に関する木造耐火の考え方についての調整を行っている。外壁は、モルタル下地吹付仕上げによる耐火構造の湿式外壁を採用している。

 

日本ツーバイフォー建築協会が取得した1時間耐火認定仕様以外に、メーカー個別の大臣認定を活用することで、要望を満たす外観デザインを実現している。設備配管等の貫通部材として中空壁用の耐火貫通部材の大臣認定をメーカーと共同して取得している。

施設概要

木造(枠組壁工法)による3階建て耐火建築物としては、建設当時において国内最大規模の施設である。
回廊式のバルコニーが入居者に心地よい環境を提供している。また、ユニット内で働く介護職員が見渡しやすいようなコンパクトなプランとしている。
国土交通省の補助事業「木のまち整備促進事業」(平成22年度)に採択されている。

木造・木質化の特徴。

渡り廊下による分棟化

平屋部分(管理・デイサービス)と3階建て部分(特養)を構造的に分棟化し、エキスパンションジョイントを設けている。

木質フローリング

各居室、共同生活室、共用廊下等の床は、テクスチャと色合いから桜材(複合フローリングの表層単板)を採用している。

枠組壁工法での国産材利用

輸入材に加えて、枠組壁工法への国産材活用のモデルとなることを期待し、四国・愛媛県産材を一部構造材に採用している。

建物総重量と地業補強

従前は水田であった敷地であるが、建物総重量が軽いため、地盤改良による地業補強のみで杭を必要としなかった。

耐火仕様と遮音性

枠組壁工法の一時間耐火仕様は石膏ボード15.5mmと21mmの二重張りとなり,特養の日常生活における遮音性を確保している。

居室とバルコニー間の段差解消

防水施工により段差のあるバルコニーにウッドデッキを敷いて居室との段差を無くすことで、利用者の利便性を高めている。

木造化によるメリット

木材は、工場における加工やパネル化が容易である。さらにそれを用いることにより、構造躯体の建方工事のスピードアップに伴う建築工期の短縮を図ることが出来る。また、建物総重量が軽いため、布基礎を採用することが可能となり、全体の工期短縮とコストダウンにつながっている。
枠組壁工法はその特徴より、高い断熱・気密性が確保しやすく、冷暖房費の軽減を図ることができている。四季を通じて、快適な室内環境が保たれ、特に冬場は暖房を入れなくとも暖かい。また、木はコンクリートのような冷たさがなく、落ち着きと優しさがあるとのコメントを得ている。

施設写真・図面集

特特別養護老人ホーム ユニット玄関
デイサービス 喫茶室
デイサービス 廊下(アートギャラリー)
特別養護老人ホーム セミパブリックホール
特別養護老人ホーム(上図左)  デイサービス(上図右)